末一手

どうもテンで置かれてしまう。末脚勝負に徹してどこまで。

幼少期の競馬事情①

サラブレッドという名称は、「THOROUGHBRED」というスペルからわかるように、「徹底的に(THOROUGH)品種改良されたもの(BRED)」という語源からきています。

http://jra.jp/kouza/thoroughbred/

 

競馬の世界は血統が物を言う。

ただ、良血馬が必ず優秀な競走馬となるわけではないが...

 

幼少期、日曜日の昼はテレビからゴルフ番組が流れていた。

父親はゴルフ狂。

袋麺を茹でながら、木目調のテレビに映る青木功のスイングに目を凝らしている。

そっちの世界では偉大なんだろうが、ガキには妙な喋り方する鳥の巣おじさんとしか思えなかった。

 

父親は、ニンニクたっぷりの野菜あんかけを乗せた袋麺のしょうゆラーメンを平らげ、そそくさと二階へ上がっていく。

 

ガキ二人が騒いでると、青木功の声は耳に届かないんだろう。多分。

 

思い返すと、父親は俺にゴルフをやらせたかったんだろうと思う。

幼少期、父親が使い古したゴルフクラブを短く切って繋いだものを、遊び道具として渡された。

庭の花壇の隙間に穴を掘って小さな植木鉢を埋め、子供用のパターゴルフコースを作ってくれた。

 

しかし父親の努力も虚しく、俺は今の今までゴルフに興味を持たずにきてしまった。

 

庭のパターゴルフは、「この角度で打てば確実にカップインする」ポジションを見つけてしまってつまらなくなった。

打ちっ放しに行く父親についていくと、係員から静かにしてくれと注意される。

 

何より「日曜日にお父さんと遊ぶ時間を奪う」ゴルフは好きになれなかったのかもしれない。

 

 

父親が二階へ上がってしばらくすると、茶の間の主であるじいちゃんが計ったようにチャンネルを回す。

 

さっきまでの青木功の流れるようなスイングと打って変わって、テレビの画面には数字が映し出される。

 

 

「ふたばんろくばんで、ふたせんふたひゃくとおえん...」